循環器内科

循環器内科

循環器内科では心臓や血管の病気を診療します。高血圧・動悸・息切れ・不整脈・胸痛・胸部圧迫感・めまいなど循環器の不具合から生じる、体からのサインには様々なものがあります。これらのサインは放っておくと、やがて心筋梗塞や狭心症・心不全・弁膜症・慢性動脈閉塞・突然死など重篤な事態へと繋がる危険性をはらんでいます。
検査を通して、初期の段階で治療を行う事が大切。少しでも異常を感じたら迷わず受診する事をお薦めします。

こんな症状ありませんか?

健診で異常があると言われた

定期健診のレントゲン検査や心電図において異常が発見された場合、心臓や血管、肺に関係する病気の疑いがあります。
エコー検査などの、より専門的な検査が必要になりますので、できるだけ早く専門医にご相談ください。

少し運動をすると息切れする・胸痛や胸の圧迫感がある

運動時の息切れは、単に年をとったからとか運動不足というだけでなく、貧血をはじめとした血液疾患、肺や気管支といった呼吸器系の病気、および心不全や狭心症などの心疾患が原因となっている場合がありますので、専門的な検査が必要です。

動悸がする・脈がバラバラ・脈が抜ける

心臓は、血液を全身に送るポンプの役割があり、1日に約10万回、1分間に60100回のリズムで規則正しく収縮をしています。心臓の規則正しいリズムが何らかの原因で乱れることを、不整脈といいます。動機や脈が抜ける場合は、不整脈が起こっている可能性があります。不整脈はほとんどの場合、放置していても問題ありませんが、まれに専門的な治療が必要となることがあるため注意が必要です。

足のむくみ

むくみの原因は様々です。心臓、腎臓、肝臓、ホルモンの異常など内臓の病気が原因のこともありますし、下肢の静脈の働きが悪いためむくみがでることもあります。それらの原因をつきとめるには、やはり循環器専門医による診察が必要です。

歩行するとふくらはぎが痛む

歩くとふくらはぎが痛くなる、少し休むと歩けるようになるといった症状は、下肢の血管の動脈硬化による間歇性跛行(はこう)が原因かもしれません。循環器専門医では、間歇性跛行(はこう)の検査や治療を行うことが可能です。

血圧が気になる

高血圧は、全身に様々な症状を引き起こします。検診などで血圧を測定する際も、緊張や不安から正しい数値を測る事が難しいため、平常時の血圧を毎日決まった時間に測定することが大切です。常時血圧が高い、起床からしばらくの間、血圧が高い状態が続くという場合は、循環器専門医へご相談下さい。

代表的な疾患

高血圧

血圧が高い状態のままであることを高血圧と言い、「診察室血圧で14090Hg、家庭血圧で13585Hg」とされています。放置しておくと動脈に負担がかかって動脈硬化が進み、心臓も疲弊します。その結果、心筋梗塞や狭心症、心不全といった心臓疾患や脳梗塞、脳出血などを引き起こすこともあるので、血圧が高い状態が続いている方は早めに治療を開始することが重要です。

 

高血圧の症状

高血圧は自覚症状があまり無いので、動脈硬化が進んで他の疾患を発症してから気が付くケースも少なくありません。まずは、定期的に血圧を測っておくことが大切です。

高血圧になる原因

高血圧の原因は様々です。特に、ストレスや塩分の摂りすぎ、運動不足などの生活習慣が主な原因と言われています(本態性高血圧症と呼びます)。また、腎臓病やホルモン異常が原因となって高血圧を引き起こしているケースもあります(2次性高血圧症と呼びます)。年齢を重ねると血管も老化が進むため、血圧が高くなる傾向があります。

高血圧の治療

生活習慣や加齢が原因の本態性高血圧症なのか、他の病気が原因の2次性高血圧症なのか、原因によって適切な治療は異なります。まずは問診や各種検査などによって血圧が高くなっている原因を明らかにし、運動療法や食事療法、禁煙、そして必要であれば薬も使って治療を進めていくことになります。塩分の摂り過ぎが主な原因の場合、減塩に努めるだけでも血圧が下がることがあります。内服薬については、自分に最も合う薬で治療を続けていくことが大切で、経過を見ながら薬の量を増やしたり、減らしたり、種類を変えたりします。

不整脈

心臓は一定のリズムで収縮を繰り返していますが、何らかの原因でリズムが乱れることを不整脈といいます。 不整脈は、動悸やめまい、胸部の違和感、息切れ、胸痛、失神などの症状が現れますが人によっては無症状の場合もあります。特に症状はなく、健康診断の心電図検査で初めて不整脈を指摘されるということもあります。
まずは、心電図等を用いた検査から不整脈の診断をいたします。また、必要に応じて24時間記録するホルター心電図検査を行ないます。当院ではホルター心電図を行ない循環器専門医である院長が判読を行なっております。

 

早い脈(頻脈)

頻脈は、脈が速まってドキドキと動悸を感じる症状が現れます。頻脈が進行していくと、心臓が全身に血液を送り出すことが出来ず、次第に吐き気や冷や汗、意識消失といった症状が現れます。

遅い脈(徐脈)

徐脈は、ふらつき、めまい、意識がなくなり卒倒するといった症状が現れます。長期間にわたって徐脈の状態が続くと、少しの動作でも息が切れるようになります。

飛ぶ/抜ける脈(期外収縮)

期外収縮になっても自覚症状を感じない場合が多いのですが、症状を感じる時は、脈が飛んだり、胸の周辺部分に不快感を覚えたり、胸が痛くなったりします。
これらの痛みは比較的狭い範囲で起こり、あまり持続しない(数十秒以内)で消失します。

不整脈の治療

不整脈は、健康診断や定期検査で経過を観察するだけで特に治療が必要ないケースもあります。治療が必要と判断された場合は、脈拍をコントロールする薬や不整脈を抑える薬を処方いたします。
不整脈の治療は、薬物療法のほかにアブレーションという血管内から心臓にカテーテルを挿入して治療を行う方法や、ペースメーカー、植え込み型除細動器などを挿入する治療法もあります。これらの治療が必要と判断された場合は、治療が出来る病院を紹介いたします。

メタボリックシンドローム

体に必要以上の脂肪がたまっている状態を肥満といいます。お腹に脂肪がつく内臓脂肪型肥満とおしりや太ももに脂肪がつく皮下脂肪型肥満があり、内臓脂肪型肥満に高血圧、脂質異常症、高血糖が合併した状態をメタボリックシンドローム呼びます。メタボリックシンドロームには以下の診断基準があります。

内臓脂肪が多い方

(ウエスト 男性の方で85センチ以上/女性の方で90センチ以上)

かつ、

以下、①~③のうち二つ以上当てはまる方

  1. 脂質異常症(血液がドロドロしている)
  2. 高血圧(血圧が高い)
  3. 高血糖(血糖値が高い)

肥満は、それ自体が病気というわけではありません。けれどメタボリックシンドロームと診断された方は動脈硬化が進行しやすいため、放置していると心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な疾患を引き起こす恐れがあります。なるべく早めに改善して、心筋梗塞や脳梗塞の予防をすることが大切です。

メタボリックシンドロームの症状

上記基準の通り、お腹周りが出ていることが最大の特徴です。また、高血圧や脂質異常症、高血糖などが合併するので、それらの症状がみられる場合も早めにご相談ください。

メタボリックシンドロームになる原因

最大の原因の一つは食べ過ぎですが、カロリーが高いことだけでなく、塩分の摂り過ぎや野菜不足、寝る前に食べるといった食事をとる時間などもメタボリックシンドロームの原因となります。また、ストレスや睡眠不足、運動不足、タバコといった生活習慣のほか、加齢や遺伝なども原因としてあげられます。

メタボリックシンドロームの治療

カロリーや脂質、そして塩分の摂取量を調整し、寝る直前は食事をしないようにします。また、お酒やタバコは控え、できるだけ十分な睡眠時間を確保するようにします。さらに、運動を習慣化することも重要です。

虚血性心疾患

虚血性心疾患は、動脈硬化の進行によって血管(冠動脈)が狭くなり、心筋に十分な血液が送れなくなってしまうことで発症する病気の総称です。一般的には「心筋梗塞」や「狭心症」と呼ばれます。

狭心症

血流が悪くなることで、心筋の筋肉が酸素不足になると、胸の痛みや締め付けられるような圧迫感などの症状が出ます。発作時間は数分で、長くても大体15分ほどで治まります。階段や坂道を上ったときに症状が現れるものは労作性狭心症、安静にしているときに起こるものは安静時狭心症といいます。

心筋梗塞

心筋梗塞は日本人の死亡原因としても上位にある病気です。冠動脈が閉塞してしまい、完全に詰まってしまった状態で、心筋の筋肉の一部が壊死してしまいます。狭心症のように胸の痛みや圧迫感がありますが、30分以上発作が続く場合は、心筋梗塞となります。突然死の原因にもなりますので、すぐに救急外来に対応できる医療機関を受診して下さい。

虚血性心疾患の原因

主な原因は動脈硬化です。動脈硬化の危険因子である、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙、肥満に注意してください。またストレスも危険因子にあげられます。

虚血性心疾患の治療

狭心症の場合、一般的な治療は薬物療法です。血管を拡張させ動脈硬化の進行を抑える薬や、血液を固まりにくくする薬、血圧を下げる薬などを処方します。
心筋梗塞の場合は、急を要するため、カテーテル治療やバイパス手術を行い、血流を改善させます。

心筋弁膜症

心臓には大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁の4つの弁があります。心臓は拡張と収縮を繰り返し、全身へ血液を循環させます。その際に血液の逆流を防ぐ役割を果たすのがこれらの「弁」です。心筋弁膜症は、弁が本来の役割を果たせなくなった状態です。心臓弁膜症には大きく2つのタイプがあります。1つは、弁の開きが悪くなって血流が妨げられてしまう「狭窄」です。もう1つは弁が完全に閉じずに、血流が逆流してしまう「閉鎖不全」です。心臓弁膜症はどの弁でも起こりますが、特に「大動脈弁」と「僧帽弁」に多く見られます。

心臓弁膜症の症状

初期段階では自覚症状がほとんど見られません。進行していくと胸の痛み、息切れ、動悸などの症状が出てきます。これらの症状は加齢や他の病気でもよく見られるため、弁膜症と気付かないことも多いです。症状がさらに悪化すると、めまいや失神を起こすこともありますが、最後まで自覚症状がない方もいます。加齢に伴い発症することが増えてきていますので、65歳以上になったら、定期的に超音波や心電図などの心臓の定期検査を受けましょう。

心臓弁膜症の治療

弁膜症は自然に治ることがありません。治療はお薬による保存的療法と外科的療法があります。お薬による治療は、弁の機能を回復させることはできませんが、心臓の負担を減らしたり、進行を抑制するために行います。お薬は利尿剤、強心剤、血管拡張剤、抗血液凝固薬など患者様の症状に合わせて処方します。
弁を完全に修復するためには、弁形成術と弁置換術の開胸手術が必要になります。近年では、カテーテルを用いた治療法もあります。

心筋症

心筋症とは、心臓動かす筋肉(心筋)に異常があり、心機能が低下してしまう病気です。拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症に分類されます。

拡張型心筋症

拡張型心筋症では、左心室の壁が薄くなり、心臓内部の容積が拡大し、心臓のポンプ機能が低下します。これにより、動悸、息切れ、むくみ、疲れやすさといった症状が現れます。原因はまだよくわかっていませんが、遺伝的要因やウィルス感染の影響が指摘されています。

拡張型心筋症の治療

患者様の症状に合わせて、降圧剤、利尿剤、β遮断薬、抗血液凝固薬を組み合わせて服用します。薬物療法で改善が見られない場合は、心臓にペースメーカーを埋め込み、心筋機能の改善を図ることもあります。根本的な治療では心臓移植が必要にあります。

肥大型心筋症

拡張型心筋症では、左室が分厚くなって、心機能に障害が起こります。右心室と左心室との間の壁である心室中隔の肥大による左室流出路の狭窄の有無で「閉塞性肥大型心筋症」と「非閉塞性肥大型心筋症」に分かれます。胸の痛み、動悸、息切れ、めまいなどの症状が起こります。主な原因としては遺伝的要因が関与していると言われています。

肥大型心筋症の治療

左心室が拡がりやすくなる薬や、不整脈を抑える抗不整脈薬、血を固まりにくくする抗凝固薬などを服用します。こちらも薬物療法が一般的ですが、不整脈を予防するためにペースメーカーを使用することがあります。

心不全

心不全とは、日本循環器学会と日本心不全学会により、心筋梗塞や心筋弁膜症などの様々な心臓の病気や、高血圧や不整脈が原因で、息切れやむくみが起こり、生命を縮める病気と定義されています。正確には病名ではなく、心機能が低下しており、全身へ送る血液量が不足してしまっている状態です。急に症状が現れる「急性心不全」と慢性的に症状がある「慢性心不全」に分けられます。

心不全を引き起こす原因

多くの心臓病は最終的に心不全をきたす原因になります。その他にも危険因子があります。

  • 心筋梗塞
  • 心筋弁膜症
  • 心筋症
  • 高血圧
  • 不整脈
  • 慢性腎臓病
  • 糖尿病
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 塩分や水分の過剰摂取
  • 気管支炎や肺炎などの感染症
  • 貧血
心不全の症状

心不全の患者様は、血液を十分に送り出せないため、息切れしたり、疲れやすくなります。また、全身の臓器で血流が滞っているため、臓器に水分がたまり、むくみやすくなります。
特にすねや足の甲でむくみが起こります。肺に水がたまると、呼吸困難になることもあります。

心不全の治療

心不全の治療は、その原因となる病気により異なります。基本的には内服や点滴による薬物療法を行います。うっ滞した血液を尿として排出させるる利尿薬、低下した心臓の機能をサポートする強心薬、心臓の負担を軽減して血液の循環を改善する血管拡張剤、血圧を下げたり、脈を遅くし心臓の負担を減らすβ遮断薬などがあり、状態に合わせて処方します。
重症患者様の場合は、ペースメーカーを埋め込み、電気刺激を心臓に与え、ポンプ機能を補助します(心臓再同期療法)。

 

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