よくある子どもの病気

水痘(みずぼうそう)

症状

水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症で、発熱は37~38度と軽いのですが、赤い発疹が口内から頭皮を含む全身に出ます。この発疹は水疱になって数日で黒いカサブタになります。発疹からカサブタになるまでは、平均して5~6日程度です。発症から1週間程度で、登園・登校が可能になりますが、必ず医師の指示を守ってください。カサブタがはがれた白っぽい痕は、数ヶ月から数年残ることがあります。

注意

水疱には強いかゆみがありますが、掻き壊すと化膿することがあります。掻き壊さないよう爪を短くしたり、乳児の場合は手袋をするなどの対策をしましょう。
発熱が無ければ、入浴は可能です。石けんで優しく洗ってシャワーで流し、全身を清潔にしましょう。シャワー後、水気をとる際に、水疱を壊さないようにタオルで優しく体を拭いてください。
口内に水疱がある場合は、熱いもの・しみるものを避け、薄味で消化のいいものを食べるようにします。
感染力が強いので保育園・幼稚園、学校はお休みします。
発疹や水泡が化膿した、ぐったりしている、熱が続く場合には再受診してください。

おたふくかぜ

症状

ムンプスウイルスによる感染症で、37~38度の発熱、耳たぶの下からあごにかけての耳下腺という部分の腫れや痛みという症状が現れます。発熱がない場合もあるため、かぜのような症状や腫れがあったら受診してください。発症から5日間経過したら、登園・登校が可能になりますが、必ず医師の指示を守ってください。熱が続く、38度以上の熱が出た、嘔吐などの症状があれば、再受診が必要です。

注意

頭痛や嘔吐、高熱、熱が続く場合、合併症として髄膜炎を起こしている可能性がありますので、早めに再受診してください。また、耳の痛みを訴える場合や、耳に触られるのを嫌がる、声をかけても反応が悪い、話を聞く時に片方の耳を近づけるなど、聴力に問題が起こっている様子があれば、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。難聴は、治すのが難しいため、おたふくかぜの予防接種を必ず受けるようにしてください。

溶連菌感染症

症状

A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌が、のどに感染して発症します。主な症状はのどの痛みで、39~40度の高熱、頭痛などが起こって、その後、のどが腫れます。のどの腫れが首の付け根のリンパ節にまでおよび、強い痛みを生じることもあります。1~2日経過すると、上半身に赤く細かい発疹が現れ、全身に広がります。
舌が赤くなって、ブツブツができる『イチゴ舌』という症状がでることがあります。診断を受けた日の翌々日には、登園・登校が可能になりますが、必ず医師の指示を守ってください。

治療

溶連菌感染によるものと検査ではっきりしたら、抗生剤を5~10日間飲みます。抗生剤服用により比較的速やかに症状は改善しますが、服用を止めてしまうと急性腎炎やリウマチ熱といった深刻な合併症を起こすこともあります。指示された通りに、しっかり薬を飲み切ってください。早期に適切な診断と治療を受けることで、胃炎リスクも最小にできます。治療ではペニシリン系やセフェム系の抗生剤を主に使用します。

注意

感染力が強いため、兄弟がいる場合は特に注意が必要です。また、体力が落ちていると大人でも感染することがあります。同様の症状があったら、早めに受診してください。症状が治まってからも菌を完全に退治して深刻な合併症を防ぐために、処方された薬を指示された通りにきちんと飲んでください。治療を受けても2日以上熱が続く、のどの痛みが強く水分を十分にとれない場合には、再受診が必要です。

風疹

症状

風疹ウイルスによる感染症で、「三日ばしか」と呼ばれています。37~38度程度の熱と小さな赤い発疹が全身に現れて、熱は2~3日で下がり、3~4日で発疹も消えます。首や耳の後ろのリンパ節が腫れることがありますが、触れると痛みがある程度です。治療は特に必要ありませんが、感染を広げないよう自宅で安静に過ごしてください。

注意

妊娠している方にうつしてしまうと、お腹の赤ちゃんに深刻な障害を起こす可能性があります。特に妊娠初期の感染は、胎児に難聴や心臓奇形が生じる確率が高くなるため注意が必要です。症状が軽く、元気でも外出を控えてください。また妊娠を考えている場合は、ご本人だけでなく、夫や同居する家族も免疫の有無を調べ、免疫がない場合には予防接種を受けるようにしてください。
こうしたリスクを避けるためにも、1歳を過ぎたらできるだけ早く予防接種を受けておきましょう。

麻疹(はしか)

症状

麻疹ウイルスによる感染症です。発症は38~39度台の熱ではじまり、咳・鼻水・目の充血・目やになどかぜのような症状が現れます。いちど熱が下がると、頬内側の粘膜にコプリック斑という白いブツブツができます。その後、再び39度台の熱が出て赤い発疹が頭から顔、全身へと広がり、その後しばらくして熱が下がります。咳や鼻水は、その後もある程度続きます。発疹は1週間程度で消失しますが、シミのようなものがしばらく残ることがあります。

注意

感染力がとても強いため、医師の指示を守って外出を控えてください。はしかにかかっている間は、免疫力が低下して他の感染症にかかりやすく、重症化しやすいため外出を避けるのは重要です。
脱水を避けるために、水分を少しずつ継続して摂るようにしましょう。咳がある場合は、加湿器などで部屋を保湿します。脳炎や脱水、肺炎を起こす可能性がありますので、1歳を過ぎたらできるだけ早く予防接種を受けてください。

熱性けいれん

症状

小児が起こすけいれんの多くは熱性けいれんで、繰り返さない場合にはそれほど心配ありません。熱性けいれんは、小児全体の7~10%にみられる、比較的よくある症状です。ほとんどの場合、けいれんの症状は様子をみていれば数分で落ち着きます。急な発熱や高熱時に起こりやすい傾向です。再発は30~40%にあるとされ、3回以上の発作を起こすのは約10%とされています。熱性けいれんを起こす原因には、脳の未熟性や遺伝的な体質などがあると考えられています。繰り返し再発する場合、熱性けいれんがてんかんに移行する可能性があるため、複数回起こした場合にはご相談ください。

注意

けいれんが起こったら、身体を横にして静かに見守ってください。身体を揺さぶる、口にタオルなどを噛ませるなどは厳禁です。嘔吐している場合は、気管に入らないよう横向きにしましょう。熱性けいれんは、すぐに症状が治まることが多いので、まずは落ち着いて経過をみてください。5分以上けいれんが治まらない場合には、医療機関を受診してください。
熱性けいれんを何度か繰り返す場合には、発熱時に熱性けいれん予防のためのダイアップ坐薬を検討します。坐薬をしてから、8時間経過しても解熱しない場合には、再度坐薬を使用します。

アデノウイルス感染症 (プール熱、咽頭結膜熱)

症状

アデノウイルスによる感染症で、プール熱や流行性角結膜炎の原因となります。園や学校での集団感染を起こしやすいため注意が必要です。
39度程度の発熱や頭痛、のどの赤み・扁桃炎・頸部リンパ節炎などののどの症状、結膜炎・目やになど目の症状、鼻水・咳、下痢など様々な症状を起こします。

注意

発熱は4~5日からそれ以上続くことがあるため、十分な水分補給を心がけてください。
目やにが多い場合には結膜炎を悪化させないよう、点眼薬をしっかりさしてあげてください。咳やのどの炎症がある場合には、肺炎を起こす可能性がありますので、早めに再受診してください。

嘔吐下痢症

症状

嘔吐や下痢といった症状を起こす感染症で、原因の多くはロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスなどによって起こっています。冬の発症が多く、嘔吐の後、あるいは同時に水のような下痢になります。発熱する場合もあります。下痢に嘔吐をともなうため脱水しやすい傾向があり、十分な水分補給が難しい場合には点滴などが必要です。早めに再受診してください。

注意

下痢を悪化させないために、冷たいもの、乳製品、脂っぽいもの、卵などを避けましょう。
白粥、煮込んだうどんなど、消化しやすいものを与えましょう。
便に触れた手から感染するため、手洗いを徹底して、トイレも除菌してください。
周囲に感染しやすいため、なるべく自宅で安静に過ごしてください。
通園再開は医師の判断に加え、幼稚園・保育園の判断を確認することも重要です。

リンゴ病(伝染性紅斑)

症状

パルボウイルスB19による感染症です。頬に蝶型の赤い斑点が現れるため、リンゴ病と呼ばれています。最初に軽い発熱が現れ、数日後に頬や腕、足に網目状の紅斑が現れます。まれに発熱などの症状がなく、紅斑が現れることもあります。紅斑が現れるまでは感染力が強いのですが、紅斑が出てからは感染力が大幅に低下します。治療法は特になく、症状が強い場合には対症療法を行います。

注意

妊娠されている方が感染すると、胎児に悪影響を与える可能性があるとされています。感染者は、妊婦さんとの接触が無いように気を付けましょう。紅斑が現れたら感染力がかなり低下しているので、登園・登校は可能です。

突発性発疹

症状

ヒトヘルペスウイルス6型の初感染によって起こります。1歳までにかかることが多く、40度近い発熱が数日続き、熱が下がってから全身に発疹が現れます。発疹はかゆみがほとんどなく、数日で消えていきます。高熱が出るため、熱性けいれんを起こすことがあります。

注意

水分補給が十分にできない、高熱が続く、熱性けいれんを起こしたといった際には再受診が必要です。

とびひ(伝染性膿痂疹)

症状

細菌による皮膚の感染症です。あせもや虫刺されなどで掻き壊した場所にブドウ球菌や溶連菌が感染して炎症を起こしています。かゆみのある水疱ができ、掻きむしると飛び火のように広がってしまうことからこの名前がついています。水疱が破れて出てきた分泌物によって他の人に感染することもあります。

注意

水疱を掻き壊すと病変が広がってしまいますし、他の人にうつす可能性もあります。できるだけ掻かないように心がけましょう。予防として、手洗いや爪切りはとても重要です。湿疹や虫刺されがある際には特に、皮膚や手指の清潔を心がけてあげてください。
清潔を保つことがなにより重要です。毎日1回以上シャワーを浴びて、石けんで優しく全身を洗ってしっかり流し、そっと水気を拭き取って皮膚を乾燥させます。その後軟膏を丁寧に塗ってください。よくなってきたからとこうした手入れをおろそかにしてしまうと、ぶり返して悪化させてしまう可能性があります。状態が悪化している場合には、抗生物質の飲み薬や軟膏による治療を行います。

ヘルパンギーナ

症状

ウイルスによって発症する夏かぜの一種で、夏を中心に乳幼児の発症が多くみられます。突然、38~40度という高熱が出て数日続き、その後、口内炎や水泡が口中にできます。口内のできものは痛みが強く、食事ができなくなることもあります。水分補給が難しいと脱水を起こす可能性があるため、注意が必要です。治療は主に対症療法です。

注意

口内に痛みがある場合には、飲み込みやすいゼリーやプリン、アイスクリーム、お粥やおじや、豆腐、卵豆腐、シチューやスープがおすすめできます。塩気が強いと刺激があるため低塩にして、熱いものは十分冷ましてから与えましょう。酸味はしみるため、オレンジジュースなどは避けてください。熱がある時だけでなく、口内に痛みがある時にも、十分な水分補給を心がけてください。熱が下がったら入浴は可能です。ただし、入浴をする際にはよりたくさんの水分補給が必要です。
水分を十分摂取できない、高熱が3日以上続く、元気がない場合は再受診が必要です。

手足口病

症状

ウイルス性疾患で、手足や口内に水疱ができるためこの名前がついています。就学前の幼児に多く、水疱以外では発熱、鼻水、咳などの症状が起こります。口内の水疱は痛みがありますが、口内以外の水疱は痛みやかゆみがほとんどありません。手足口病を起こすウイルスにはいくつかのタイプがあるため、繰り返し罹患することがあります。
ほとんどは自然に治ります。口内に痛みがあって食欲がない場合には、酸味や塩味を控えて硬いものを避け、熱いものは冷ましてあげるようにしてください。

注意

水疱内の分泌液や便のウイルスによって感染する可能性があるため、丁寧な手洗いを習慣にしましょう。特に便のウイルスは3週間ほど注意が必要です。通園や通学の制限は、特にありません。

インフルエンザ

毎年違うタイプのウイルスによって流行が起こるため、発症を予防し、発症した際にも重症化を防ぐためには毎年、流行前に予防接種を受けることが重要です。主な症状は発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などで、のどの痛みや鼻水、くしゃみ、咳なども起こります。気管支炎や肺炎などを起こして重症化する可能性がありますので、予防接種を受けるようにしましょう。

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