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2021.09.17

50歳過ぎたら帯状疱疹ワクチンを

皆さんこんにちは、看護師の野口です。
寒暖差や天候不良で体調がすぐれない方が多いようですが、皆さん元気に過ごされていますか?

今回は最近お問い合わせの多い、帯状疱疹ワクチンについて少しお話ししようと思います。

帯状疱疹は、多くの方が子供のころに感染している「水ぼうそう」のウィルスが原因で起こります。水ぼうそうが治った後もウィルスは体内に潜伏し、加齢や免疫力が低下したときに発症します。日本人の90%以上はこのウィルスが体内に潜伏し、特に50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症する可能性があるとされています。

発症すると皮膚症状だけでなく、神経にも炎症を起こすため痛みが現れます。神経の損傷が強いと皮膚症状が治った後も痛みが続くことがあります。ご経験の方もたくさんおられるかもしれませんが帯状疱疹後神経痛と呼ばれるもので、強い痛みが何週間、何か月も持続する場合もあり、発症された方の苦痛は想像を超えるものと思われます。

この帯状疱疹を予防するのに使用されているワクチンは下記の通り2種類あります。

*乾燥弱毒生水痘ワクチン
    →子供のころに接種する従来の水ぼうそうの予防接種です。2016年3月に50歳以上の方の帯状疱疹予防のワクチンとして認可されました。
*乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス)
    →2020年1月から日本国内で発売が承認された世界初の帯状疱疹ワクチンです。

まず、
乾燥弱毒生水痘ワクチンは、生ワクチンなのでステロイドの大量投与や免疫抑制剤を使用されている方、がんの化学療法で免疫力が低下しているような方は禁忌とされています。
一方のシングリックスは、組換えDNA技術を応用し有効成分水痘帯状疱疹ウィルスgE抗原に、アジュバントシステムを追加することで細胞性免疫の賦活効果を高めたサブユニットワクチンで、生ワクチンではないため免疫抑制状態の方にも接種出来ます。

効果については
生の水痘ワクチンは発症予防効果は60%程度とされる一方で、シングリックスは90%程度となり驚異的な予防効果を示しています。
ただ、生ワクチンは発症予防効果が60%程度とはいえ、細胞性免疫も賦活化するため、発症しても症状を軽く抑えられる可能性が高いと考えられています。

副反応は
シングリックスはアジュバント入りのワクチンであるため、局所の疼痛や腫脹、筋肉痛、倦怠感、頭痛や発熱などの副反応が約30-40%で認められています。
弱毒生水痘ワクチンは従来の生ワクチンであり、倦怠感や発疹といった全身性の副反応は1-2%程度となっています。

料金と接種回数については
弱毒生水痘ワクチンは6000円で1回接種(皮下注射)、シングリックスは21000円で2回接種(筋肉注射)となります。

まとめ
2回接種のシングリックスは費用はかかりますが高い予防効果があります。
1回接種の水痘ワクチンは費用は抑えめで副反応も少ないですが効果は60%程度となります。

さいごに
2種類のワクチンのメリット、デメリットをよく考えてワクチンを選択することが大切です。
当院では患者様のご要望に応じられるように2種類の帯状疱疹ワクチンを取り寄せることができますので、接種を希望される場合はあらかじめ電話などによるワクチンのお取り寄せの手続きをお願いいたします。

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