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2021.03.26

高齢者の肺炎球菌ワクチンについて

こんにちは、看護師の野口です。今回は高齢者の肺炎球菌ワクチンについてお話ししたいと思います。

 

肺炎を予防するために出来ることの一つに、肺炎球菌ワクチンの予防接種があります。肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぎます。現在使用可能な肺炎球菌ワクチンは2種類あり、90種類以上ある肺炎球菌の菌株のうち感染率の高い23種類をターゲットにした「ニューモバックスNP」、13種類をターゲットにした「プレベナー13」があります。

 

高槻市の助成を受けて接種できるのは「ニューモバックスNP」で、すでに公費で接種しておられる方も多いかと思いますが、「プレベナー13」は現時点では自費での接種になります。

 

それぞれのワクチンの違いを簡単にお話ししたいと思います。

 

ニューモバックスNPは、多糖体ワクチンであり、肺炎球菌の蛋白成分がないため免疫原性が低く、B細胞のみが活性化されます。カバーする菌株は多いですが、免疫記憶が誘導されないため5年おきに再接種が必要です。

 

プレベナー13はキャリア蛋白をつけた結合型ワクチンであり、樹状細胞を活性化し、T細胞活性を介してB細胞活性化を誘導し、抗体産生を誘導さらにメモリーB細胞を誘導し免疫記憶が確立されます。カバーする菌株は少ないですが、免疫効果が高く、免疫記憶が誘導されるため再接種は必要ありません。

 

小難しくてわかりにくいですよね。。。。

簡単に言うと

ニューモバックスNPの効果は強力ではないけれど、守備範囲が広いワクチンです。

プレベナー13の効果は強いけれど、守備範囲がやや狭いワクチンです。

 

肺炎球菌を予防するために、ニューモバックスNPとプレベナー13の両方を接種することは可能です。

特にプレベナー13は「ブースター効果」といって、相乗効果が期待できるワクチンですので、両方を接種することによってさらに免疫機能が高まります。

 

ブースター効果が期待されるといわれている接種スケジュールは

・ニューモバックスNPを接種してから1年以上の間隔をあけてプレベナー13を接種する

・プレベナー13を接種してから6-12か月の間隔をあけてニューモバックスNPを接種する、です。

 

料金については

ニューモバックスNP・・・7500円 (筋肉or皮下注射・5年ごとの再接種必要)

プレベナー13・・・・・・9000円 (筋肉注射・一生に一度の接種)

 

最後に、肺炎球菌ワクチンですべての肺炎を予防できるわけではありませんので、ワクチンを接種しても、うがい・手洗い・公衆衛生など日常生活の感染予防策は続けましょう。

 

 

 

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